リスク管理!収益不動産を購入する際の基準、ちゃんと持っていますか

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こんにちは。Hideです。売買不動産歴21年以上 大手不動産会社15年勤務後、関西で不動産会社の代表取締役 現在は賃貸物件のオーナー、投資家、ブログ記事も8年近く書いています。

今回は、「収益不動産を購入して副収入を得たい」と考えている方へ、「購入基準をしっかりもっていますか」といったテーマで記事を書いています。購入前の参考になれば嬉しいです。

この時期の内容レベル
知っ得度★★★☆☆
重要度★★★★
専門性★★★☆☆

基準を持っていないと「永久に購入ができない」、もしくは「購入後に不安ばかりが頭を悩ます」から

基準は人によってバラバラ

収益不動産」ってワード、最近では珍しくもなく一度や二度は耳にされた方も多いのではないでしょうか。所有した不動産を第三者に借りてもらって、その対価としてお家賃を頂く単純なお金の流れ。

一見「めっちゃ簡単やん」と思う人も少なくはないでしょう。本業があって、その傍ら「自動的に入ってくる副収入」はとても魅力的に映るかと思います。

確かにその通りかもしれませんが、もし本当にそうであれば国民全員がやっていてもおかしくはありませんよね。「おう、久しぶり!俺、今収益不動産20件所有してんねん!儲かってしゃーないわ」なんて会話あまり聞いたことはないでしょう。

なんでもかんでも購入すればよい」というものではないことは、誰にでも分かることですが、では実際どのような基準に基づいて収益不動産を購入しているのでしょうか。

オーナーA
オーナーA

私は、断然「表面利回りね!」10%以上の利回り物件しか魅力を感じないわ。だって、おおよそ12年後には借入金はほぼ無くなる計算だから、その後の家賃は全て利益ですもんね。

オーナーB
オーナーB

僕は「キャッシュフロー重視!」かな。毎月の家賃と金融機関への返済分を差し引いた手元に残るお金に魅力を感じちゃうな。

オーナーC
オーナーC

俺は、自分で管理できるように「場所にこだわっちゃうね」だって面倒じゃん、電球替えに行くだけでわざわざ出かけていくの。管理会社にお金払いたくないしね。

オーナーD
オーナーD

自分は絶対「耐用年数にこだわる」な。こだわらない意味が分かんないよね。金融機関からの借入れ期間に影響大だし、減価償却って最も大事な部分じゃないの。当然だよね。

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とまあ、購入時の最優先基準は様々です。では、それだけの基準で購入しているのでしょうか。その一つがクリアしていれば問題はないのでしょうか。

実際には上記の「基準」以外にも幾つも基準を持っているオーナーも少なくありません。

利回り

表面利回り10%超」は確かに魅力的です。少し前なら15%とか20%なんて物件が山ほどありました。これも「収益不動産ブーム」の影響で、購入者が増え需給バランスが偏って今では利回り2%とか3%なんて収益不動産も珍しくは無くなってきました。

問題

<物件情報>(注意:地域の特性や立地条件 都市計画法や建築基準法、各種条例等の法的側面は一切考慮していません)

自宅から車で1時間にある人口30万人都市 最寄駅からは徒歩15分 土地面積:45坪 周辺土地相場:30万円/坪 木造瓦葺2階建 4LDK+車庫1台分 昭和62年築 修繕履歴:8年前に防蟻処理済み 10年前に屋根葺き替え 現在賃借人4人家族で既に3年間居住中 滞納歴:なし 家賃:9万円 金融機関利用が可能な場合:金利2.5% 借入期間:10年 販売価格:1080万円といった情報を得る事が出来た場合

さて、この収益物件をあなたなら購入しますか?

オーナーAオーナーBオーナーCオーナーD
表面利回り10%以上毎月11,811円の赤字自宅から遠すぎる耐用年数は既に超過
購入する購入しない購入しない購入しない

恐らく皆さんも最初はこのような判断をされるのではないでしょうか。重要なのは「この時の自分の判断基準」です。「購入する」とか「購入しない」と即決で判断してしまいがちです。

一昔前の私は、一度頭の中で判断を下してしまうと、購入意欲が沸き上がって冷静さを欠いたり、見送った物件を再度見直すといった行動をしてきませんでした。

本当は購入しない方が良かった」物件でも前向きに進めていってしまったり、逆に「購入した方が良かった」物件をみすみす逃したりする始末でした。「再検討する」をすっかり忘れていたからです。

もちろん、たったこれだけの情報で「買う」・「買わない」は決めることは困難です。ですが最初の入り口としてはおおよそこんな感じではないでしょうか。私は実際のところこの収益不動産を購入しました。

キャッシュフロー

キャッシュフロー」は重要です。ここを重要視されていらっしゃる方は数多くいらっしゃいます。要は収支バランスです。この物件は年間で約14万円赤字になる計算です。毎月赤字は誰も嫌ですよね。本来であれば購入すべきでないかもしれません。ではなぜ購入したのか。

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いわゆる「積算法」によります。もしこの先数年間、土地の相場が多少上下するにしても、購入時と同じ価格で売却できるの出れば45坪×30万円=1350万円の価値があるところにfocusしました。損して得取れでしょうか。

ここに関しては、考え方が分かれるところです。「そんな先のことを予測するのは不可能」だからです。あくまで個人的に判断したことですので、参考程度で読んで頂けたらと思います。

場所へのこだわり

場所へのこだわりも確かに重要です。よく「最上階や一階にオーナー様が居住」といった物件を見ることがあります。賃借人様からしても安心ですよね。不動産が遠方にある場合、賃借人Aさんから呼ばれ、翌日にBさんから相談といった場合は時間がいくらあっても足りません。

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管理面においても一世帯だけなので十分ひとりで対応可能だと判断できたことです。また、仮に退去となれば新たに賃借人を募集しても良いのですが、土地として売却することでそれまでの元金返済分及びキャピタルゲインが期待できるからです。

次に「戸建」であることです。空家リスクがないと言うことと、解体費用がさほど高くないと言うことです。複数世帯が居住する一棟収益マンションであれば、一世帯が退去したからといって「建物を解体して再利用」なんて不可能ですよね。

耐用年数超過

ここが一番のハードルです。基本的に金融機関は「法定耐用年数-築年数」を融資期間として設定します。つまり今回の物件は、既に木造の法定耐用年数である22年を超えていることから、融資してくれない状態です。

ここは「相談」あるいは「交渉」次第といった方が良いかと思います。「土地部分の資産価値」や「現在の状況」を詳しく説明し、場合によっては資料にしたりして提出したりすることで、「条件付き融資」にこぎつける事が出来る場合があります。

金融機関も商売で金融業を行っています。初めからあきらめない方が得策です。

自己資金をある程度投下してもらう」・「融資金利が多少上がる」・「融資期間は多少短くなる」等の条件です。まあ、他にも色々と言ってきたりしますけどね。

今回は融資期間:10年 金利:2.5%で融資して頂けることに成功しました。極力自己資金の投下は避けたいですから。

最後に「減価償却」です。償却期間については計算式がありまして、今回のように中古の木造戸建で築年数が耐用年数を超えている場合「木造の法定耐用年数22年×20%=4年」となります。

経費計上して、税金を節税できる期間が4年と言うことは覚えておきましょう。場合によっては「償却期間切れ=即赤字転落」になるケースもあります。

ここに関しては「諦めた」格好です。仕方ないですよね。法律で決まっているのですから。全てにおいて「問題なし!」なんてまずありえません。(まあ、長い間探し続ければ見つかることもあるかもですが)

5年が経過して

実際に購入してどうだったのかです。今現在も所有しております。この5年の間に起こったことといえば「台風被害にて屋根の一部が破損した」だけです。これは結果論です。後々何かあるかもしれません。しっかりと修繕させて頂きました。

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そして、融資残額はほぼ半分になっています。気になる周辺の相場ですが、「上昇傾向」にあり、40万円/坪となっています。仮に今賃借人が退去した場合は、解体等の諸費用を差し引いても700万円程度の利益が出る状況で推移しています。

しかし、これは皮算用に過ぎません。賃借人がいる状況のままでは土地として売却することはできませんし、明日にでも土地相場の変動によって価格が下落するとも限りません。これが「投資」の本質だとおもいます。

まとめ

  • 収益不動産を購入するなら、ある程度の「基準」を持っておくことが肝要
  • 基準」は多いと購入が難しくなり、少ないとリスクが増えることを理解する
  • 基準」は人によって異なるので、絶対解はないということ
  • 購入する収益不動産の条件をよく吟味して、取捨選択をする

無理なくやって、今日もHappy!

これから不動産投資を始めようとお考えの方にお勧めの一冊です。

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