不動産購入で失敗。だからS造・RC造だからと安心するな(必見)

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こんにちは。Hideです。売買不動産歴21年以上 大手不動産会社15年勤務後、関西で不動産会社の代表取締役 現在は賃貸物件のオーナー、投資家、ブログ記事も8年近く書いています。

今回は「住宅用不動産あるいは収益用不動産を購入しようと考えている方」に絶対確認してほしい「シロアリ」について知人談を紹介したいと思います。個人的な見解ですので参考にしていただけたらと思います。

この記事の内容レベル
知っ得度★★★☆☆
重要度★★★★
専門性★★★☆☆

建物の構造が「鉄骨造」あるいは「鉄筋コンクリート造」の住宅を購入する場合であっても「シロアリ」被害は普通に発生するから。

改修費用に800万円

平成7年11月築 鉄骨造(S造)3階建 一部連棟式(1階部分だけが隣家とくっついている形式)長屋住宅 延べ床面積101.61㎡ 4LDKを購入した結果、「ヤマトシロアリ」による被害があったことが判明しました。

当時を振り返ると年配のご夫婦が住むお家を2度程内見して、周囲のロケーションや商業施設、学校や病院などを歩いて確認し、ご近所廻りの方々にも住み心地について立ち話をした結果「問題なし」の判断をして購入しました。

北側隣家は、敷地が大きくお庭の手入れも綺麗になされていて「借景」で雰囲気も良く気に入っていました。居住中と言うこともあって1階部分の物置には荷物が埋まっていたので「まあ、鉄骨造だし」と安易に考えていました。

引渡し後、1カ月ほどが経過して2階の北面の窓に「数匹の黒い体の羽根のついたアリ」が止まっていました。「外側だし隣地から飛んできたのだろう」と気にもしていませんでした。

その後、大変なことが起きた結果、売主による「工事費用800万円を投じての改修施工」が行われることになったのです。

調査をするのかしないのか

その後も毎日のように北側のガラス面に「数匹の黒い体の羽根のついたアリ」が止まり続けていたので、すこし気になったため不動産の仲介業者に見に来ていただきました。

数匹のサンプルをシャーレに入れて検査機関に送るとのことでした。この時も「黒いアリはよく見るし、どこかで大量発生しているのかな」とか「防虫薬品でも買っておくか」程度の気持ちでした。

数日して連絡がありました。「ヤマトシロアリでした」とのこと。でもこの家は「鉄骨造だし食べられることはないだろうと」簡単に考えていました。まだ何かを行動に移すといったことはしませんでした。

暫くして、2階リビングの北側天井の隅の部分から下方にかけて壁紙が浮いていることに気が付きました。「結露によるものか?」それとも「雨漏りか?」と心配になり再度仲介業者に見に来ていただきました。

回答はこうです。

  • 契約不適合責任(瑕疵担保責任)の期限内ですので、雨漏りであれば調査を行って、引渡し以前からのものと判明すれば売主に提示して修繕して頂きます
  • 結露の場合は自然損耗の可能性があるので修繕費用はご自身で行って頂く可能性が高いです

そして「初めの調査にかかる費用は買主様で一旦お支払いして頂くことになります」というものでした。調査するとなると壁紙をめくり、内側の石膏ボードを取り壊す必要があります。

しかも壁と壁と天井の3面がぶつかる場所にあたるため、修繕費用は高額になり「もし、何もなければ全額費用を負担することになる」という訳けです。

このとき「雨漏り」か「結露」かで頭の中は一杯でした。すっかり「シロアリ」のことは忘れていました。

調査を依頼することに

疑問は解決したいとの思いから、自己負担となることを了承して壁を解体してもらうことにしました。後で思ったことでしたが、この疑問がなければのちのちもっと大変なことになっていたと思います。

買ったばかりの家をバキバキ壊されていくのは心が痛みます。しかし、解体後すぐ「あ~きてますねぇ」と回収業者の一声。「やっぱり雨漏りだったか」と思いきや、「シロアリです」と意外な回答。

ここは2階部分です。雑学程度の知識しかなかったのですが、本来シロアリは地中もしくは1階くらいまでしか繁殖しないと思っていましたから、「シロアリがいたんですか?ところで雨漏りはどんな感じですか」と聞いていたくらいです。

いやいや雨漏りはしてませんよ、シロアリにやられています」との回答。「はぁ?!」ですよ。その後はある程度まで作業を進めて写真を撮って状況報告の作成です。

ところが、「2階にいるってことは1階も3階も確認しないとだめですね」との報告があり、結局全てを調べてもらうことになったのです。結果は全ての階で「シロアリの被害アリ」でした。

S造(鉄鋼造)でしたので倒壊の恐れはありませんでしたが、木材が使用されているところは多くあり補修にはかなりの費用が掛かることがわかりました。しかし、これで終わりませんでした。

原因はどこにあったのかの追及が開始

原因を探し当てるのに「床下に潜って確認」という作業が始まりました。そもそも床下点検口すらなかったので、サンダーと呼ばれる電動のこぎりのような工具を使って床面に人が入れる程度の穴をあけるわけです。

そこから中に入って暫らくすると「これは無理です」と即答。真っ暗なので何がどうなっているのかわからず「どうかしましたか」と伺うと「膝上まで水が溜まっています」と返答がありました。

どういうことですか」と穴の中を携帯のライトで照らしながら恐る恐る覗き込むと「プール」のように水が溜まっています。もう何が何だか分かりませんでした。「上水」なのか「雨水」なのか「汚水」なのか暗くてわかりません。

作業員の方がサンプルの水をくみ上げて持ち上げてきました。「おそらく雨水でしょう」とのこと。通常、建物を支えるための基礎(鉄筋コンクリート造)があって(今回はべた基礎)各所に水抜き穴が設けられていなければならないのですが見当たらないとのことでした。

しみ込んだ水が行き場をなくして滞留している可能性が高いとのことでした。シロアリ発生の原因はこの水ではないかとなりました。湿地のある所を好んで移動してきた可能性が高いとのことでした。

その間の内容は全て元の売主へ仲介業者を通じて報告がなされており、「そうとは知らず申し訳なかった」との返事を頂くに至り、補修工事に入ることに同意して頂けることが仲介業者より連絡がありました。

急遽、ポンプを使って汲み上げが開始されました。午前中いっぱいかかったと思います。続いてシロアリの駆除並びに被害箇所の木材を取り換える段取りに入りました。こうしてようやく全ての修復が完了したのです。

まとめ

  • シロアリによる被害がないかは、売主の報告だけでなく、可能な限り確認が必要であること
  • ヤマトシロアリは体が黒く、一見しただけでは素人にはわかりにくいため専門業者に確認すること
  • 買う側の時だけでなく売る側になった場合も注意が必要だということ

なかなか実際には難しく思えますが、後から気付くより、先に気付くことでトラブルは回避しやすいです。心労を避けたいのは皆同じだと思います。

そのあと防蟻処理(シロアリ等の防虫施工)は行いましたが、駆除業者曰く「連棟式長屋住宅の場合、つながっている全てのお家を点検させて頂けないと保証書の発行はできません」とのことでした。

依頼した業者によるかもしれませんが、理屈的には「シロアリは移動して生息している生き物で、一個の家を全てを食べ尽くしはしません。ある程度で隣りへ移動する生き物なんです。ですから駆除という立場からは全てを見なければなりません」とのことでした。その後のことは仲介業者にお任せしました。

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