こんにちは。Hideです。売買不動産歴20年以上 大手不動産会社15年勤務後、関西で不動産会社の代表取締役 現在は賃貸物件のオーナー、投資家、ブログ記事も7年近く書いています。
今回は、不動産を買取りする前に、私自身が注意している点をいくつか紹介したいと思います。内容は「簡単です」今回は、私個人のやり方になります。
この記事の内容 | レベル |
---|---|
知っ得度 | ★★★★☆ |
重要度 | ★★★★☆ |
専門性 | ★★☆☆☆ |
結論。基本的に不動産には「定価」というものがありません。売る側と買う側の合意に基づいて取引されるのが通常です。
まあ、親子間とか兄弟間、また特別な関係のある方は税務上問題視される可能性が高くなるため適用されませんけどね。
コンテンツ
最初は買取りするマンションの調査から始めるんじゃないの?
って思われると思いますが、案外ここさえ押さえることができたら、「全国の不動産価格が、現地に行かなくてもすぐわかる」可能性が高くなります。
新聞広告やポータルサイトには株式会社リクルートが運営する「SUUMO」や、アットホーム株式会社が運営する「at home」、株式会社LIFULLが運営する「HOME’S」や、ヤフー株式会社が運営する「YAHOO!不動産」などが代表的で、簡単に検索できますね。出てくればラッキーです。
買取りを検討している物件と比較して、「同じような間取り」「同じような向き」「同じような階層」がいくらで販売されているかをチェックします。
新築マンション価格には、事業主側の利益が販売価格に反映されていますね。この部分は絶対教えてくれないので予測でしかないですが、「販売価格の10~20%」と見込みます。
同じタイプの新築マンションが4,000万円で販売されていたとすると、利益分を引いた額は「3,600万円~3,200万円の間だなぁ」程度で認識しておきます。
当然建物は時間の経過とともに価値が減ります。古くなってゆきますからね。
鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年とされています。減価償却の計算をきっちり行うと大変なので、「ざっくりと約2%/年で価値が減るなぁ」と考えます。
ここでこう考えます。「買取りを検討しているマンションが、新築マンションと同じ単価だったら」
マンションの築年数が20年経過していれば、残存価値は「100%-2%×20年=60%」となりますね。
先程の価格帯に当てはめると「2,160万円~1,920万円の間」となります。
ふんふん、なるほどねぇ。なんとなくわかるような。
新築分譲マンションの販売価格を決めているのはプロ中のプロの方々です。ここを間違えたら全く売れなくなるので、価格の妥当性は高いと思っています。
立地はもとより、売主や施工会社は異なりますからこれが全てではないですよ。
昔はこれが出来なかったんですよね。日本では不動産業者が情報を握っていて、公開してくれることがほとんどなかったんです。
土地や戸建と違って、マンションの場合はここが重要です。今では不動産業者のサイト内で、過去の取引価格の推移を表示してくれたりしています。
一番手っ取り早いのは、「物件を紹介してくれた担当者に資料をもらう」です。
くれない事はないです。くれます。だって商売ですから。利用しましょう。
その際に絶対確認したいことはこちらです。
- 何年何月の成約事例なのか
- 販売価格と成約価格の乖離があったのか
- 販売期間にどのくらいかかったのか
- 特殊要件で売れていないか(親族間取引・任意売却等)
- リフォームされていたのかいないのか
直近1~2年くらいの事例しか参考になりませんね。販売価格も自由に決められるので、実際に売れた価格が重要です。
マンションの場合、間取りが同じといったことがよくあります。
半年前に階下のお部屋が「1980万円で成約」していたなんて情報があれば、かなり有益ですね。
間取りが違ったり、2LDKと4LDKのように単純に比較が難しい場合もありますが、おおよその㎡単価を出しておきましょう。成約事例の㎡単価同士を比較検討すると、意外と似た単価になることが多いです。
新築マンションを調べた時同様に、新聞広告やポータルサイトではこちら「SUUMO」や「at home」、「HOME’S」や「YAHOO!不動産」などで、簡単に検索できますね。
一軒も出てこない場合も多いので、出てくれば参考程度にします。逆に、たくさん出てきたら要注意ですね。マンション内でトラブルがあったりしてるかも。
そうでなくても、ライバルがたくさんいることになります。そうなると価格競争に巻き込まれる恐れもあります。値引きしないと売れないとか。
実際、調査中の時には売り出し中の物件は0件でしたが、いざ買取り後にリフォームを行って販売したときには5件になっていたこともありました。こうなるとなかなか売れませんでしたねぇ。かなしい。
次に、不動産価格に多大な影響を及ぼす項目がありますので調べましょう。それは、ご近所の物件と比較することで見えてきます。
- 管理費が周辺物件と比べて異常に高くないかどうか比較
- 修繕積立金の額と、現在までの積立総額を調べる
- 大規模修繕工事の予定と計画表があるかを確認
- マンション全体での今後の修繕計画や議事録に目を通す
最近では少ないですが、昔は管理費に異議を唱える方が少なく、費用の見直しをしてこなかったマンションも多くあります。
分譲した会社が管理業務も行っていて、それが当たり前になって一体化してました。だれも疑わなかったんですね。最近では管理会社の新規参入で様変わりしています。「モノ言う区分所有者」のおかげでもありますね。
築年数が浅いマンションや天災等の被害に遭ったマンションでよくありますが、マンションのメンテナンスをする上で重要な修繕積立金がぜんぜん貯まってないケースです。「これはヤバイっ」を通り越して、マイナスで借り入れがあるケースもありましたね。
万一、多額の費用を必要とする修繕工事が発生した場合、最悪は「区分所有者による負担が発生する」場合があります。マンションの規模や築年数にもよりますが5千万円前後積立金があることが望ましいと思っています。
住む人の気持ちになって、物件周辺の商業施設(ファミリータイプの場合は主婦目線で、スーパーや小児科・歯医者、コンビニやパン屋さん、スイーツ店等)を散策。
ダブルインカムのご夫婦なら、毎日の通勤時の最寄り駅までの道のり(アップダウンが激しいか、帰りに一杯ひっかける立ち飲み屋、趣味の店等)
小さなお子様がいるご家庭では、危険な場所がないか、狭い道や暗い道がないかなど、校区内の学校等までの距離を歩いてみて回る。
あっ、これって重要なんですよ。家探しするときの必須Point!まあ私は好きでやれる気がしますけど・・・。
現地では室内をみて、リフォーム箇所をピックアップしておく。不動産の価格を出すうえで最もウエイトを占めてくるところです。できたら業者さんと一緒に「あーでもない、こーでもない」をやってみてください。案外楽しいです。
直接マンションの住人とコンタクトが取れたら最高です。だって、住んでて良い事や悪い事がライブで聞けるんです。「管理人さんがすごく親切なんです」とかとか「ゴミ出しルールを守らない人がいる」とか。
何処にでもあるような話なら良いですが、中には「これはダメだ」ってことも。
ここまで調査が終わったら、ある程度価格の目安がついてきます。「でもまだ心配だなぁ」ってなります。いつもなります。心配はつきものです。
最後にすることは、物件周辺の仲介業者に最低5社程度電話します。
「あの~ちょっと教えて欲しいんですけど」「〇〇マンションの相場について~」って感じでいいと思います。
出てきた価格を信用するかというと、そうではありません。
商売にならない相手と受け答えするのに、時間を掛けて丁寧に教えてくれる人ってなかなかいませんよね。
だけど、中には地域に精通する者としてのプライドがすごく高く、かつ不動産LOVEの方がいます。メチャメチャ詳しく教えてくれたりします。自分で出した価格と近かったらガッツポーズしてます。
電話口のテンションでなんとなく、いやハッキリとわかってきます。だから、もし不動産を買い取ったら販売はその方にお願いしようと思ってます。
- 不動産価格には「定価」は存在しないと言うこと
- 調べるのは簡単、そして調べすぎて損はない
- 地域に精通する担当者と話すのが一番早い(見極めが大事)
あくまで経験上のことですが、ここまで調査して出した価格をもとに買取した不動産が、再販売時に「メチャクチャ高く売れた!」とか「すごく安くしないと売れなかったぁ」ってほぼないですね。
単純に不動産の売り買いは、お互いの合意の上で成立します。買取りしようと調査している内容は簡単なので、誰でもやってます。
衝動買いでもしてくれない限り、希望を超えるような結果は出ませんね。購入者側も真剣です。「どうしようかなぁ」「ん~迷うなぁ」って価格でないと検討すらしてくれませんね。
無理なくやって今日もHappy!