こんにちは。Hideです。売買不動産歴20年以上 大手不動産会社15年勤務後、関西で不動産会社の代表取締役 現在は賃貸物件のオーナー、投資家、ブログ記事も7年近く書いています。
今回は、私自身が不動産業で起業するかどうか「悩んだり」「迷ったり」したときのことを真面目に振り返ったとき、同じ思いの方がいたら参考にして頂けたらいいなという思いでこの記事を書きました。
この記事の内容 | レベル |
---|---|
知っ得度 | ★★☆☆☆ |
重要度 | ★★★☆☆ |
専門性 | ★☆☆☆☆ |
起業してもサラリーマン時代とやっていることは同じだった。
もちろん、起業初期には事務所を探したり事務用品をそろえたりして数か月はあっという間に流れて行きました。半年くらいが経過したころには、サラリーマン時代の営業に戻っていましたね。たしかに業務は増えはしますが全て事務的作業だけです。
「自分は経営者なのだから」とか「代表取締役だから」とかって「まったく気にすることはなかった」し、むしろ電話に出たときや掛けた時に自分が作った社名を言うのが恥ずかしかったことを覚えています。
世の中は広く、「無名で信用性ゼロの会社でも受け入れてくれるんだ」という気持ちが大きかったですね。ちじこまって恐縮しているのが馬鹿らしいというか、周りはそんなこといちいち気にしてないですから。
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相談に来られる方に最も多いのがこれです。「失敗したら」。私も同じでしたからすごく気持ちはわかります。誰も失敗したくないですからね。
私は人一倍ビビリでしたので、もっとネガティブに考えていたものです。「失敗の仕方」や「失敗への道筋」といった感じです。
これは単純で「商品やサービスが売れなくなったら」という結論に達しました。当たり前ですがこれに尽きます。
ではどうして売れなくなるのか。「売るための努力が足りないのか」・「商品自体が悪いのか」・「そもそも需要がないのか」・「価格設定が悪いのか」等など考えるものです。
しかし考えてみたら改善の余地はあるように思えます。「株式などへの投資」とちがって、「直接的に自ら手を加える事が出来る」からです。「どの部分の努力が足りないか」・「商品のどこが悪いのか」・「需要のある場所はないか」・「価格変更するか」と考えていくと見つかるものもあったりします。
そして何より、未経験ではないということ。サラリーマン時代に繰り返しやってきた経験が生きてきます。テクニックや小細工ではなく、「目」と「肌感覚」です。
一番初めの商品を仕入れる時の「目」と直感的な「肌感覚」は裏切らないものです。初めから売れないような商品やサービスを仕入れていないということです。
私には親友がいます。2人です。どんな仕事で起業をするにせよ、今まで一人で生きてきたわけではありませんから、辺りをもう一度よく見まわしてみれば「仲間」がきっといるはずです。
仲間とは友達ではなく、同じことを考えている同僚や少し先を歩んでいる先輩、サラリーマン時代の出入りの業者やお客様も対象になり、そして親友です。
いくら人脈が豊富であっても、やっていることはビジネスですから情報やアドヴァイスを「もらう」ばかりだとそのうち離れてしまいます。
「あげる」ものを何でもいいので用意した方がよく、もらった方も「あ~一生懸命探したんだんぁ」ってすぐに伝わるものです。今ならそれがメチャクチャすごくわかるからです。
人脈はないのではなく、間違いなくあります。「その道に長けた人」と「たくさん知り合いたい」と思いがちですがそんなに一度に会ったり話したりできないですよ。
直接知り合いでなくても、「仲間の仲間」、またその仲間が後ろに控えているかもしれません。皆不安の中にいるわけですから必然的に引き合うこともあると思います。
次に多い相談内容がこれです。「借りたものは返す、子供でも分かることだ」なんて、ドラマや映画のワンシーンの見過ぎだったと思います。
怖いシーンで脳裏に焼き付いてしまいます。たしかにその通りですが、一括返済を迫られるならともかく、通常は定額をコツコツ返済すると言った感じです。
ビジネスとして企業すのですから、返済するあてが何もないのに借金するわけではないでしょう。それでも見込みが外れたら怖いと感じるのなら、お金を借りずに手元資金で始めるのも一つの手段です。
現在所有している携帯電話やパソコンがあればできることも多くあります。通信費と電気代ぐらいで初めて見る。「実は私がそうでした」。
初めの6ヵ月は自宅で自作のホームページを作ったり、お客様に電話したりしていただけです。たまに契約になればパソコンで書類を作成して友人のコピー機を借りて印刷する。そんな感じでもやれましたね。
車はレンタカー、エアコンもないような部屋で夏は暑いし冬は寒いし大変でしたが借金をすることが本当に怖かったので耐え忍びきれました。
「自信に満ち溢れている人」って羨ましいなと今でも思います。おそらく確固たる信念に基づいて行動し、結果もしっかり出してきた経験がそうさせるのでしょう。
要は「裏付け」です。ではこの裏付けっていったい何をもって指す言葉なのでしょうか。裏付けとは「確かな証拠」という意味のとおり、後から見てもはっきりと道筋がわかることと理解しています。
私も自分に自信を待てないでいました。サラリーマン時代はたくさんミスもするし、会社の望む結果は出せないし、これといった功績を残せたことは何一つありませんでした。
「こんな私から商品を購入してくれる方がいるだけで不思議」って感じです。と同時に「果たして自分は自分のような営業マンから商品を買うだろうか」という疑問が頭をもたげました。
「確固たる信念」=「親兄弟に自信をもって紹介できないような商品はお客様に紹介しない」と置き換えて、ここだけは曲げずに取り組み、商品が1つ売れた時に立派な裏付けになると気付きました。
「なんとなく」とか「たまたま」といった感じで購入して頂いていると見えてこないものです。もちろんそれまでも同じ気持ちで営業してましたよ。
お伝えしたいことは「何か一つ譲れないものを決めてとにかくそこに意識を集中する」ということです。
「お前んところの父ちゃん建設会社の社長なんだろぅ うらやましいなぁ」って声を耳にします。ですが「うらやましいの意味」がまったく違うかもしれません。
うらやましいのは「子の父親が経営者である」ということです。けっして「お金持ちの父親の子」がうらやましいのではありません。
私には途中から父親はいませんでした。途中まではサラリーマンの父親でした。起業当時は私も「父親がいてしかもバリバリの凄腕敏腕の経営者だったら」なんて正直思ったものです。
「経営の何たるか」を教えてもらえる、「生きる術」を教えてもらえるなんて最高!って。ですが実際いない者はいないし経営者でもないので、ただの「無い物ねだり」でした。
日本には何代にもわたって生き残っているいわゆる100年企業の老舗企業が多くありますが、その数は全体的にみればごく少数です。株式会社帝国データバンクによる記事を見てもわかる通りです。
「温故知新」も大切ですが「新進気鋭」でなければ今の世の中を泳いでいけないと自分自身を鼓舞したものです。
建設会社の社長の息子は息子で大変だと思います。自分の代で会社が左前になったりしたらご先祖様に申し訳が立たないでしょうから。人のふんどしで相撲は取らない、取るときは自分のふんどしの方がしっくりきますよ。
潤沢な資金力があって起業する方も多くいますが、業種によっては幾らも経費はかからないものもあります。そして日本では国が応援してくれる融資制度もありますので、相談されたら即解決すると思います。
私も借りました。(日本政策金融国)「資金があれば起業できる」のならこれで解決です。
前述したとおり、借りたら返すのが鉄則ですが、法人で借り入れるとなると100万円単位が一般的だと思います。業種によっては1000万円や1億円以上といった場合もよくあるかと思います。
しかしこんな大金今まで見たことないわけです。サラリーマンが見るのはせいぜいお給料くらいだからです。
私は最初に1000万円借り入れました。どうやって返すの~ってすごく怖かったです。ですが借りたお金で商品を購入し加工して販売して売れました。確か600万円で買って180円で加工して980万円で売れたと思います。
手数料や税金を差し引いて120万円の利益が出ました。そして当時の私の給料は10万円で設定していましたから会社の口座に残りました。日本政策金融公庫への毎月返済額は約15万円でしたので8カ月分は目処が付きました。
これは1億円借りても同じことだと気付き始めました。利用しているお金の額は大きくなるけど入ってくる方も大きくなる。そして給料は変わらず10万円だけ頂く。使うお金の種類が違うだけなのです。
「事業資金は間接的にいったん形を変えてあとでお金となって帰ってきます」。お給料は残念ながら帰ってきません。これが大きな違いです。帰ってこないお金は極力へらして、帰ってくるお金は多く借りるのがビジネスだと思います。
今では「お金はお金の形をした何にでも変身する便利な道具」程度に思うようにしています。
初めからこんなことを考えている人は少ないかもしれませんね。よっぽど心配性というか何というか。「実は私です」。だって怖いじゃないですか、起業したら何が起こっても不思議じゃないのですから。そう、確かにその通りでした。
起業して7年目にこれまで起きたこともないような未経験のトラブルに巻き込まれたのです。対応能力ゼロです。慌てふためきました。あちこちに走り回って相談し、その翌日もその翌日も。
結局落ち着くまでに半年近くが経過しました。正直疲れましたが、後ろ向きな気持ちは全くなかったです。辞めたいとか逃げたいとか。
結局相手方の思い込みによる勘違いでしたが、事をココまで大きくしたせいで上げた拳を降ろせなかったということで「事なきを得ました」。
大なり小なりトラブルは発生してしまうこともあるかと思います。逆にこれまで何もなかった方が不思議かもしれません。ですが「解決しない問題は99%無い」と思います。
この時の出来事の一部終始を傍観していた知人に振り返って伺う事が出来ました。「あの時のお前の目は虚ろで彷徨っているようだった」「あの時はお前が壊れてしまうんじゃないかと思った」らしいです。
その未経験のトラブルとは「原因不明の雨漏り」
正直「不安」=「怖い」はついて回ります。ですがサラリーマン時代も「怖い」はありました。それは「将来」と「犠牲」でした。どっちの「怖い」が嫌か。今は間違いなく後者だと言い切れます。昔と違い「サラリーマンは気楽な稼業」ではありません。企業戦士なのです。
まさに戦国時代の真っただ中。しかも仕える武将を間違えたら即滅亡です。大企業の淘汰はますます増え、銀行の統合も秒読み、中小企業は振り回されてクタクタです。「起業するもしないも本人の自由です」が、もし「する」なら一日も早く、前向きに考えられることをおすすめしたいです。
無理なくやって、今日もHappy!