こんにちは。Hideです。売買不動産歴20年以上 大手不動産会社15年勤務後、関西で不動産会社の代表取締役 現在は賃貸物件のオーナー、投資家、ブログ記事も8年近く書いています。
今回は、「DIY!ホームステージング」について紹介したいと思います。個人的な見解ですので参考にしていただけたらと思います。
この記事の内容 | レベル |
---|---|
知っ得度 | ★★★★☆ |
重要度 | ★★☆☆☆ |
専門性 | ★★☆☆☆ |
購入者様の声で確証を得ることができた瞬間でした。ホームステージングはプロに頼まなくても全然OKですね。
そして何より、仕事以外の自宅のイメージチェンジにも十分役立ちますし、その自宅を将来売却する際にも有効な手段になることは間違いないでしょう。そして「楽しい」んですね。
前述したように、購入した不動産を「より高く売却したい」という思いは、誰しも共通の願いだと思います。その方法とはズバリ「DIY!ホームステージング」だったのです。
今やネットで何でも購入できる時代、まとめて購入で運送コストを抑えることができたり、直接物件へ配送してもらって無駄な労力や時間を有効利用できたりとメリットいっぱい。
前の記事でも紹介した「教えて!成約率をUPさせる「ホームステージング」は自分でできる?」では、「効果」や「傾向」について述べてきましたが、今回は実際に行った内容について一挙公開したいと思います。
コンテンツ
増築や減築、設備の入れ替えなどDIYにもいろいろあると思います。今回は、販売効果を上げるためのホームステージングを行います。
今回は北欧スウェーデンを中心とした家具を取り扱っているIKEAジャパンの大型店舗内に向かい、そこで大まかな下調べをまずは行いました。
「アンカリング効果」を狙うべく、一つ一つ手に取ってみて色合いや雰囲気をもとに頭の中で想像を膨らませます。はじめは難しく感じていましたが、何度か足を運ぶと「やっぱこれかな」とか「こっちの方がしっくりくるよね」とかなんとなくわかってくるのが実感できるようになってきます。
それでも悩んでしまうことも多々あるのですが、そんな時は素早くモバイルで映像を見たり雑誌の切り抜きやネット検索してみたり、女性の意見を聞くべく妻はもちろんのこと、知人友人に相談したりして見地を深めていきます。
出不精の私でも行けば楽しい空間ですし、ちょっとしたイートインスペースも確保されていて休憩もできるので一日いても飽きたりしませんでした。それより、数回足を運ぶとどこに何が陳列されているか覚えてしまいます。お店側の陳列方法に何か仕掛けがあるかもしれませんね。
まずは、お部屋の全体像を思い浮かべてみます。図面が手元にあれば具体的に想像しやすいですね。そして、そこに住まわれる可能性が高い年齢層や家族構成、所得層まで考えてみます。
例えば、駐車場に止まっている車種にはミニバンが多いのか、高級車が多いのかとか、駐輪場では子供用自転車の数なんかも事前リサーチしておきます。
IKEAで購入した商品は、商品名や品番さえ分かっていればネットで取り扱い説明書が閲覧できるものが多くあります。また、IKEAの商品の大半は組み立てられる前の状況で梱包されているので、未完成のまま搬入されることも付け加えておきます。※完成された状態のものもあります。
万一、組み立て時に部品の一部が破損してしまった場合は予備のパーツが搬入時に入っている物もありますが、ないものはIKEAに問い合わせて取り寄せできるか聞いてみましょう。私の場合たいていの物はありましたね。
たいていの商品は、取り扱い説明書を見ながら簡単に完成させることができますが、大型のソファや家具は一人では難しい場合があります。できたら協力者を一人確保しておくことが賢明かと思います。
これは重要な作業工程の一つです。作成せずに店舗に行って失敗したからこそ、ぜひ皆さんには同じ失敗がないことを願っております。
私が失敗したのは・・・。
1.付属品を購入せず二度手間(これは時間と経費の無駄使いです)
2.同じ商品を色違いで2つ買ってしまう
3.照明を購入するも、対象電球を買い忘れる(IKEAあるある)とここまでは許せるとしても
4.サイズが合わない(これはどうしようもありませんでした)(泣)
失敗しながら成長するのもアリかもしれませんが、できれば少ない方がよいに越したことはありません。ですから事前のリスト(購入商品だけでなく寸法も図っておく)作成が重要です。
そしてリスト作成はさほど難しいものではありません。色やデザインは決める必要がないからです。もちろん決められる人はもっと優位に進められることでしょう。
全くの素人でしたが、気負いせず自宅のレベルUPだと位置づけて取り組みはじめました。まあ、失敗しても大赤字にはならないだろうな的に考えるようにして。
普段からよく行くお洒落なカフェなんかがあると参考になるかもですが、なければ今ここからスタートすればよいわけです。パラパラ雑誌を見たり、ネットを見たりするだけでなんとなくイメージって湧いてくるものです。
ただし、「この椅子いいな」とか「この照明かっこいいな」とか一つ一つにフォーカスして選ぶのではなく、総合的に俯瞰してイメージでできれば尚良いかと思います。全体的に雰囲気の良い切り抜き写真なんかがあればよいですよね。
よく「モダン」とか「エレガント」や「アクティブ」や「マニッシュ」、はたまた「クール」や「ロマンティック」等といった、聞きなれない言葉でイメージを表現してはいるものの、正直よくわからないわけですよね。まあ、勉強すればよいのですが。
そこで、全体的に何色に仕上げるのかから考えてみました。ファミリータイプなら「ナチュラルな感じ」、一人暮らしなら「シンプルで清潔感のある感じ」といった構想を描いていきました。
大手企業の付帯サービスは嬉しいですね。成約報酬制のために売却が成立しなければ手数料を頂くわけにはいかないので「ホームステージング」に注力していることが伺えます。
無料のサービスを行っている会社が増えているにもかかわらず、「有料」の「ホームステージング」会社が数多く存在するのはなぜでしょうか。
実は同じマンションで「ホームステージング」を二度行ったので気付けたのです。経験者として感じることは「こだわり」だと思います。「誰もが憧れを抱く」・「オーソドックス」といったものと一線を画していました。
もちろん大手企業もこだわっているとは思いますが、「個別のニーズ対応」が人気となっているかもしれません。そこに「無料」ではできない提案力があるのではないでしょうか。
「家具」や「照明器具」あるいは「小物」に至るまで、トレンドや時代のニーズをうまく拾ってくるのは「担当者の力量」に左右されます。しかしここまでは各社共に僅差だと思います。
実際、2社目に依頼したとき違いに気付いたのは「マーケティング力」と「ペルソナ」でした。ペルソナとは、サービス・商品に対いて典型的なユーザー像を設定することで、マーケティングにおいて活用されます。
具体的には、実際に対象(購入者層となる)人物が実在しているかのように想像を膨らませて、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、家族構成、生い立ち、休日の過ごし方、ライフスタイルなどをリアルに設定するのです。
大企業の商品開発部でもよく使われる手法です。正直「そんなに絞り込んだら的が外れた場合のリスクが高くなるのでは」と思いますが、外れたら再度検討するというものです。
有名なものにはチョコレート菓子の「KITKAT」が思い浮かびます。発売当初のターゲット層は「家庭の主婦」だったそうです。ペルソナを詳細に設定し直した結果「受験生」に切り替えたました。このことで大きく飛躍したのは有名ですね。「KITKAT」は「きっと勝つ」を生み出したのです。
依頼をすると「敷地内駐車場に止めてある車種や自転車の仕様」から購入者層の年代を、30代から「子育ても終わった55歳以上65歳未満」に変更しはじめました。他にもこんなペルソナがなされました。
- 資金的に余裕があり、月に一度は国内、年に一度は海外旅行をする夫婦2人住まい
- 昭和初期より栄えた立地という観点から推察し、この地をこよなく愛して、永住の場所と考える人物像
- 都心部で人気のエリアのため、ステータスに多少のこだわりもある
- 欲求をある程度満たせる所得が有り、職業は医療従事者で年収は2,000万円
- 能楽や猿楽を楽しむ趣味があり、新しいものより味のある年季の有るものを好む
- 休日は趣味のコーヒーを煎れて奥様に振舞い、クラッシックでも聞きながら読書を楽しむ
「えっ?そこまで細かく考えて絞り込むの?」でしたが、これを踏まえて出来上がった「ホームステージング」は前回のものとは「まったく異なる印象」でした。
では、未経験の人に「ホームステージング」はできないことでしょうか。個人的見解ですが「できる」と思っています。また、今では自分でやってます。
「自分にはセンスがない」という声を多く頂きます。確かに私自身、初めも今も同じように思っています。また、当初は時間とセンスをお金で解決するといった考えもありました。ですがこれは一昔前ですね。
「家具は家具屋」、「植木は花屋」、「小物は雑貨屋」というように購入する先がバラバラだった時代です。今は大型店舗を構えるお店が多く出店していて大半のものは全て揃います。利用したSHOPを下表にまとめてみました。
会社名 | 店舗 | 配送サービス | 取り扱いアイテム |
---|---|---|---|
IKEA(イケア・ジャパン) | 12店舗で展開中 | あり | 北欧スウェーデンを中心とした家具 ホームページ参照 |
マナベインテリアハーツ | 17店舗で展開中 | あり | ホームページ参照 |
ACTUS(アクタス) | 66店舗で展開中 | あり | ヨーロッパを中心とした家具 ホームページ参照 |
島忠ホームズ | 60店舗で展開中 | あり | ホームページ参照 |
ニトリ | 607店舗で展開中 | あり | ホームページ参照 |
他にも探せば良品を取り扱っている会社は数多くあることに気付かれると思います。上表に共通することは現地に行けば「実際の商品を手に取り、素材感を確認できる」ということです。
通信販売が盛んになっている時代に、逆行するようなことをいうようですが「とても大切だと思う」からあえてお伝えしたいと思います。
普段使いする物とは区別することが賢明かと思います。「見てよし!使ってよし!」が一番ですが「ホームステージング」の世界では「アンカリング効果」が重要な位置づけになります。単に色合いやデザインだけでなく「風合い」や「素材感」は見てくれる人の心を揺さぶります。
このように一つの店舗内ですべてのアイテムを探す事が出来る時代、コスパもよく「シリーズ化」されたアイテムも各種揃える事が出来ます。
「自分にはセンスがない」と思われる場合、知人や友人、彼氏彼女や奥様やご主人、子供と一緒に見聞きするだけで次第にセンスが磨かれて集約されていくかもしれません。
恐らくプロに任せた場合と比較しても、約15万円以上の節約になるばかりか、このことで売却出来たり賃借人が決まった場合の喜びは格別なものとなります。
- 「ホームステージング」は「アンカリング効果」を最大限発揮させることが可能
- 「ホームステージング」が無料の場合に「やらない」という選択肢はない
- 「ホームステージング」のプロは「マーケティング力」と「ペルソナ」に超注力
- 「ホームステージング」は経験がなくても、周囲の人の協力があれば十分に可能
無理なくやって、今日もHappy!