不動産購入で失敗。不動産の売却「見落としがちな注意点」

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こんにちは。Hideです。売買不動産歴21年以上 大手不動産会社15年勤務後、現在は関西で不動産会社の代表取締役および賃貸物件のオーナー、投資家、ブログ記事も8年近く書いています。

今回は、「失敗した!不動産の売却見落としがちな注意点」について紹介したいと思います。個人的な見解ですので参考にしていただけたらと思います。

この記事の内容レベル
知っ得度★★★☆☆
重要度★★★★
専門性★★☆☆
  • 隣地境界や、その周囲に構造物がある場合には必ず写真や動画を撮っておく
  • 敷地に接している道路が個人所有の場合、通行同意書や掘削同意書をあらかじめ取得する
  • 敷地の上空を必ず目視にて確認しておく
  • 境界標の有無や設置位置をしっかりと見て回る
  • 契約する土地の面積に対して敷地の辺長は正しいか確認する

この記事は、これから不動産を売却あるいは購入しようとお考えの人向けに作成しています。何かしらの一助となればうれしいです。

また、不動産がテーマになっている書籍やネット情報ではなかなか伝えにくい点などがあると思います。そのあたりを切り抜いて説明できたらと思います。

「見てなかった」では後の祭り

今回は実際に私が不動産を購入したあと、売却するに至るまでに経験した「見落としがちな注意点」を、経緯を交えてお話していこうと思います。

また「見落としがちな注意点」について、具体的にどのようにチェックして、どのように対処あるいは対応したかなども具体的にお伝えできたらと思います。

隣家の外壁に傷がついている

ようやく不動産売買契約が完了して、契約内容に沿って建物を解体し、更地にして引き渡すことになっていたため、解体業者に建物取り壊しを依頼。解体までのスケジュールや費用等を打ち合わせて予定通り終了報告がありました。

買主様へ、解体完了の報告も済んで、あとは決済日を待つだけとなっていました。そこに一本の電話がかかってきました。北側の隣家の方からでした。

建物解体に伴い、事前にご挨拶も行っており関係は良好だったので「なにかな?」と何も想像できないまま電話に出ると「うちの建物に傷がついている」「さっきたまたま見つけたので慌てて報告させてもらった」とのことでした。

すぐ現地に向かい、ご主人様とお会いして詳細に内容を確認することに。「先日までの解体作業中に付いたのではないか」「作業中、ずっと見てたわけではないから確信はないけれど」とのことです。

その部分を見たところ、はっきりとわかる傷がついていました。しかしながら回答に困りました。傷は新しくついたものか以前からあったものかの判断ができなかったからです。

翌日、解体作業を行った方に確認を取り、状況報告を行ったところ「いやいや、そんなところに傷が付くことはないよ、作業前にも写真撮ってるから見に来てよ」とのこと。

写真があるなら、それで確認できるはずと、この時そう信じて疑いませんでした。しかも、解体業者の対応は非常に丁寧で、解体作業自体も納得のいくものだったからです。正直うそをついているとは思えませんでした。

複数枚の写真を提供してくれたのですが、どの写真にも肝心の場所が映っていませんでした。

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この時頭の中ではこんなことを考えていました。

・解体業者の保険を適用してもらって修繕してもらえないか

・専門業者に傷を見てもらって、以前からのものか最近のものかを判断してもらえないか

私自身がつけた傷ではありませんから、誰かの責任だと感じていたのは事実です。しかし現実問題、どうやってそれを証明し解決するのか。弁護士に相談した方が良いのかまで考えたりしました。

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最終判断はこうです。

・隣家のご主人様のおっしゃる意味もわかる、解体業者の回答も誠意が伝わってくる内容である

・周辺の写真を撮ってなかったのは私自身 解体業者を選定したのも私自身

・当然、買主様に引き渡し後、近隣のコミュニケーションはスムーズな方が良い

弊社負担で補修する提案を隣家に受け入れてもらえるか相談しようと決めました

もちろんこれが最良の解決策だったかどうかは、未だに分かりません。事と次第によっては裁判になってもおかしくない事象かもしれません。今回は隣家のご主人様の了承を頂くことができました。

また、同様に、近隣側へ粉塵やゴミが飛散しないかなど、空きスペースを見ておいた方が良いと思います。

道路を個人が負担している

今回の対象となる不動産は道幅の広い公道から側道に入って、途中から私道(個人所有の道路)を挟んで到着するといった場所にありました。

ある程度、不動産を探されていらっしゃる方ならもうお分かりのはずです。私道も一般的には通行することに支障はないはずです。が、その道の上を、解体業者や建築業者の重量車両が通行するとなると話は別ですね。

もしご自身が持っている土地の上をそんな重たい車両が通行して、アスファルトがへこんだり、欠けたりしたら文句の一つも言いたくなりますよね。

しかも、その道路の地中には水道管や下水管、ガス管まで通過していたら。断線したりして壊れてからでは手遅れなんですよね。

今回は、私道部分をご所有されていらっしゃる方13件の全員に、菓子折りもって挨拶して、具体的な内容や工期、工事時間帯などの工程表を持参して一軒ずつ回りました。

少なくとも「工事車両等通行承諾書」および「水道管・下水管・ガス管等引き込みに関する掘削同意書」を頂くことができました。

この内容は、契約前に打ち合わせておかなければ、購入してからでは手遅れです。もし一組でも了承がいただけなければ通行することすら難しくなるからです。

敷地上空は必ず見上げる

先程の道路部分では地中についてライフラインが埋設されていることに触れましたが、今度は上空についてです。普段、何気なく道を歩いているときに前を見ているか、あるいは下方に目線を落としている方が多いかと思います。

しかし、不動産の場合はぜひ現場に着いたら上空を見上げて頂きたいと思います。

特に、境界線上を足元を注意しながら。するとたいてい複数の電線が目につきます。この電線がゆくゆく厄介なことにならないように確認しておくことが賢明です。

建築予定の建物の屋根に電線などがぶつかってしまっては問題になります。電力会社や電話会社にて移動してもらえる場合も多くありますが、移動したくてもできない場合もあったりします。事前確認が必要です。

今回は、電柱ふごと、1m移動していただけることになりましたが、それでも一部の電線が敷地上空をまたぐ結果となりました。

電線などの場合は移設工事で対応できることもありますが、隣家の庇や屋根などが上空を越境している場合はもっと問題です。

建築する際には役所に建築確認申請書を提出するのですが、越境している部分がそのままの状態なら投影面積に照らされて敷地の有効利用が減る可能性が高いからです。

また、敷地内に越境物があると金融機関からの融資も場合によっては受けにくくなる可能性があります。    

「見てはいた」だけでは足りてない

今回の不動産取引では、過去に失敗した経験から今回は「事前に対応していたので問題にはならなかった」内容について触れたいと思います。

皆さんは、不動産を購入しようとしたとき敷地境界を気にするように言われたことはないでしょうか。これは紛れもなく重要な事柄なのですね。では、どのように確認しているのでしょうか。

現地に足を運び、敷地の境界線上を歩いて「境界標」を探すといった具合かと思います。整形地なら四隅にプレート状のものやコンクリート杭等を見つけられた方も多くいると思います。

まず、多くの方はそれで安心されているのではないでしょうか。

境界標を疑ってかかる

まず、その境界標は本当に正しい場所に設置されているのかと。

私の最初はすべての境界標を目視で確認して写真まで取りました。ところが一か所だけコンクリート杭がわずかに斜めに刺さっているのを確認しました。

気持ち悪いですよねぇ、斜めって。できれば真っすぐにしたいですよね。ですが、勝手には触れないんですよ。敷地が大きければ大きいほどわずかの差で大きく面積が変わるからです。

仮に長方形の土地で長辺1000mの長さに対して短辺に3.3㎜の差が出たら3.3㎡(約1坪)異なってくるわけです。これが都内の一等地だったら数百万円の差が生じます。

そこで、土地家屋調査士の協力を得て隣地に確認してもらい正しい位置に境界標を設置することができました。

疑ってかかるというのは、悪意いのある場合です。境界標はホームセンターに普通に売っています。それを購入して勝手に設置されているケースがあったからです。

何でも売ってるんですね。検索したらいろんな種類の矢印プレートが出てきます。

だけど見破るのって難しいですよね。別事例では、その周辺を同意の上で掘り返したところ地中に古い石杭票が出てきたなんてケースもありました。

測量図と実際の寸法を測り比べる

次に行うことは、売主の手元にある資料や法務局に備え付けられている「地積測量図」を入手します。面倒だなぁなんて思わないでくださいね。コンビニでジュース買うのとはわけが違うのですから。

その図面をもとに、現地に巻き尺もって実際に図ってみるんです。ピッタリくることもありますが、たいていの場合ずれると思って間違いないでしょう。

この「ずれる」という結果を持つことが重要なんですね。購入前に図ったら多少のずれがあることがわかりました。売主様や買主様に確定測量をお願いするきっかけができたんです。これってかなり大きな収穫です。

契約後に同じことを申し出ても、話がうまく進まないケースがほとんどです。まして引き渡しまで受けると更に大変ですし、隣地の協力が得られなければ測量自体できないことも考えられます。

まとめ

  • 建物解体が決まっているなら、近隣との取り合い部分の状況確認
  • 対象となる不動産物件までの侵入経路の確認
  • 対象となる不動産物件の上空の状況確認
  • 境界標をいろんな角度から見つめて、さらに疑ってかかる
  • 測量図面と実際の辺長を測り比べる

境界線上に沿ってゆっくりと歩いて回り、自身の目で確認し、できる限り隣家の迷惑につながりそうなところがないか想像する。そのうえで、事前に写真や動画に残して後から確認できるようにしておく。

事前に前面の道路が個人所有かどうかを確認しておいて、個人所有の場合は何件の方にお願いに伺うのか。また重要なのは誰から承諾を得て回るかがポイントになる。

敷地上空をくまなく確認しておく。電線だけでなく、隣地の軒先や庇、あるいは電柱等の越境しているものがないかを確認する。

何年前の測量図面なのかが重要な場合もあります。昔の測量技術と現在のそれとは格段に差が出ます。

一人で測るのが大変な場所もあります。事前に協力者を探しておくことをお勧めいたします。私の場合は妻や友人に頼むことが多いですね。

余談

余談ですが、一昔前であれば駅前の、あるいは近所の不動産会社に相談に行き、そこで一方向的な情報だけを得てしまい、それを信用してしまうという状況でした。また疑うこともなくそれが一般的でした。

しかし今、現在においてネットの普及に伴い必要な情報はすぐに双方向から入手できる時代になっています。

にもかかわらず、それでもなお不動産会社におんぶにだっことなってしまうお客様が依然として多いのはなぜなのでしょうか。

当たり前のことですが、自信がどうしても持てないんですね。高額な商品を購入するにあたり、絶対にミスは許されないといったプレッシャーです。人間、不安や心配があれば誰かに頼りたいと思ってしまうこともよくわかります。

しかも、不動産を購入する年齢層から言っても、仕事を抱えた現役世代の方が圧倒的ですから、不動産について勉強しようにも「そんな時間無いよ」となりますね。

不動産仲介会社の営業マンがすべて「悪」と言っているわけではありません。大半がお客さまに寄り添い、話を聞いて、共感するべきところは共感し、注意すべきところは発想転換を促したりしてくれますし、心配することはほとんどないと思っています。

要は、頼りっきりのスタンスではなく、お互い違う視点で不動産を見て、相互チェックしあえる関係になれたり、要点を抑えることができれば、大半の心配事は払しょくできることが多くなるということです。

付け加えるなら、多少なりとも不動産スキルを高めて行けば、担当営業マンも張り合いができて喜んでくれると思います。

ではまた次回もお会いできたらうれしいです。お疲れさまでした。

あっ、あとこの漫画結構面白いですよ。

無理なくやって、今日もHappy!

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