こんにちは。Hideです。売買不動産歴20年以上 大手不動産会社15年勤務後、関西で不動産会社の代表取締役 現在は賃貸物件のオーナー、投資家、ブログ記事も7年近く書いています。
今回も、「表面利回り14.8%」の収益マンション1室を得ることができた事例をもとに、投資用不動産を購入する前に注意している点をいくつか紹介したいと思います。内容は「簡単」です。
「マイナスポイントの多い不動産」、「敬遠されがち」あるいは「見向きもされない不動産」って結構数多くあります。今回の不動産もそれに類似しました。では何故購入するに至ったのでしょうか。
この記事の内容 | レベル |
---|---|
知っ得度 | ★★★★☆ |
重要度 | ★★☆☆☆ |
専門性 | ★★☆☆☆ |
物件資料に記載されている「数字上のデータ」や「間取り」だけでは「けっして見抜けない別の情報」を積み上げることで確信を得る事が出来たから。
コンテンツ
今回、購入した不動産の間取りと不動産情報はこんな感じでした。
物件概要
◆交通/〇〇線「〇〇」駅徒歩5分◆構造/鉄筋コンクリート造4階建4階部分◆専有面積/「登記簿」16.72㎡「壁芯」不明◆バルコニー面積/不明◆間取り/1ルーム◆電気/関西電力◆ガス/大阪ガス◆飲用水・排水/公営◆築年月/平成1年6月◆管理費/6,500円/月額◆修繕積立金/3,000円/月額◆管理方式/巡回◆土地権利/所有権◆現況/空き部屋
- 5帖に満たない居住部分
- エレベーターのない4階部分
- 数年間賃借人のいない空き部屋状態
- 3点ユニットバス仕様
- 調理スペースのないキッチン
購入価格によっては魅力的に映るかもしれませんが、「大切なお金を支払うんやったら、もっと別の不動産でもええんとちゃうのん?」って思うような価格で販売中でした。
収益物件を購入する上で「数年間賃借人のいない空き部屋状態」は全く魅力的に映らなかったことも事実です。今や3点ユニットと屋内洗濯機は「女性に不人気」の代表的なものですしね。
おまけに自炊するにもメチャクチャ不便です。実際にキッチンの前で実践する振りまでしてみましたから。
この不動産では「賃借人を見つけるのに苦労する」ばかりでなく、購入するからには収益が上がらないと全く意味を成しませんので「無理やな」思っていました。
不動産を内覧したのがAM11:00でしたので、駅前の吉野家で昼ご飯を食べに向かいました。まあ駅から5分の場所でしたからすぐに到着。ですが違和感もありました。
「もう着いたの?」です。現地から駅へ向かう途中は信号がありませんでした。5分といっても普通に歩くと結構な距離です。
お店の中に入ろうとすると「満員御礼!」え~っ!!向かいには同じようなチェーン店が四つ角にありましたがどこも「満員御礼!」です。
「ありえへん」って舌打ちしながら待つことに。暫くすると団体のお客さんが店外にぞろぞろと出てきました。その服装は建設工事業者の作業服集団。胸元にはスーパーゼネコンの会社名が。
「まあ、どっかで新築マンションか何か建てる計画でもあんねんやろな」くらいにしか思っていませんでした。しかし牛丼を頬張りながら「どこで建設してんのかなぁ」と急に頭から離れなくなっていました。
こうなると気になってしようがありませんので、「駅前の不動産業者ならなんか知ってるかもしれへん」って。飛び込みましたねぇ。
現実はそんなに甘くない。まあ皆さん首を揃えて「知らんなぁ」「兄ちゃん、逆になんかわかったらおしえてーな」です。イライラしてきたので「あーめんどくさい、直接聞きに行こう」になるんですよね。
さっきの吉野家に戻って店内を見ると、まだ数人がお食事中。出てくるのを待ち構えて訪ねてみることにしました。
「突然スミマセン、この辺りにスーパーか何か建設予定でもあるんですか」「はぁ?スーパー?んなもん建ててへんでぇ、わしら〇〇食品の敷地内にある社宅を工事してるだけやがな」でした。
後を付けるように現場を見に行きました。敷地周辺は防護シートで覆われていたので中を見る事が出来ませんでした。そこで「役所に行って建築確認の閲覧しよ」と考えたわけです。
思った通り「建築確認の申請」は出ていませんでした。あの工事業者は新築の建設工事会社ではなく「室内のリフォーム」がメインの業者でした。後になって知ることになったのですが、新入社員の入社に備えて社員寮をリフォームするところだったのです。
スマホで即〇〇食品を調べました。しかし具体的な内容は何一つ載っていません。またイライラしてきたので「あーめんどくさい、直接聞きに行こう」です。
受付の女性に身分を明かして丁寧に質問しました。残念ながら詳しい事は教えてもらえませんでした。
万事休すとあきらめかけたその帰り道社員らしい若手の方が出てきたので「お忙しいところすみません」と。ホントあきらめの悪い性分です。
すると「ああ、うちは入社3年までは寮を借りる事が出来るけど、それ以降は自分で探さないといけないんです」「もう皆探し始めてるとこですよ」「いい物件でもあるのなら仲間に紹介しますけど」と。
入社3年と言うことは「会社規模はメガ級で安定給与所得者」「大学卒業組なら25歳」「未婚率高い」「男性が多い」「料理する率低い」「駅前にお店多い」「夜更かししても会社まあまあ近いので安心」「気軽な家賃」「階段苦にならない年齢」「帰って寝るだけ」
検討不動産の周辺物件を調査しました。当たり前ですが近隣に同じような空き物件がいくつもある可能性があります。だって「数年間賃借人のいない空き部屋状態」だったんですよ。
これまでにチャンスはあったはず。〇〇食品にお勤めの方なら「先輩が使っていたマンション」で口コミがあってもおかしくないでしょ?なのに決まっていないのですから。
調査した結果、やはり周辺には同等の空き部屋はいくつか出てきました。が、どれも一長一短あるものでした。「階数は低いが北向き」「EV付きだけれど家賃が1万円高い」「条件はどれも上を行くが、ここより会社から5分程遠くなる」こんなのもありました「トイレだけ共用」。しかしまだ不安は払しょくできません。
またまたイライラしてきたので「あーめんどくさい、直接聞きに行こう」ということで、売主に「なぜ数年間賃借人のいない空き部屋状態」だったのかを確認したところ、「海外赴任中でほったらかしていたんです」・・・。最初から聞いておくべきでした。
長々と時系列的に書き込んでしまい読者の方には申し訳ありません。ここまで読まれて「なんかめんどくさいなぁ」「そんなにいろいろやらなあかんの?」って思われたかもしれませんが、この一連の出来事は「たった1日」の出来事です。これで「表面利回り14.8%」の収益不動産を手にする事が出来るんです。
- 物件資料に記載されている「数字上のデータ」や「間取り」だけで判断するのはもったいない
- 現地周辺に行くだけで「時間」と「費用」が掛かる。何でも情報を拾うと良いもを拾う場合がある
- わらしべ長者の如く、「情報」は「次の情報」へと導いてくれて期待以上の成果につながる場合がある
無理なくやって、今日もHappy!