リスク管理!不動産経営で失敗しないために投資の基礎知識を身に着けよう

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こんにちは。Hideです。売買不動産歴21年以上 大手不動産会社15年勤務後、関西で不動産会社の代表取締役 現在は賃貸物件のオーナー、投資家、ブログ記事も8年近く書いています。

今回は「これから不動産投資を目指す方」に絶対確認してほしい「不動産投資のリスク」について紹介したいと思います。リスクを知ることでどう影響するのか。個人的な見解ですので参考にしていただけたらと思います。

この記事の内容レベル
知っ得度★★★☆☆
重要度★★★★
専門性★★☆☆

リスク」はあらかじめ想定できるものであって、「デンジャー」とは一線を画します。ある程度想定できるのであれば、予防線を引くことで余裕が生まれて適切な判断とスムーズな対応が期待できます。

リスク」は背負える範囲のものであり、「デンジャー」は命を危険にさらすことだと位置付けています。

不動産経営における「リスクは限定的」ですから、知っていることで慌てて無駄に資金を散財したり、無駄に時間を使うことが無くなります。

投資用不動産経営で切り離せないリスク

限定的といっても結構リスクが伴うのが収益不動産です。ザっとどんなものが挙げられるかを列挙してみました。不動産経営を始める前にこういったデメリットをきちっと知っておくことで、心労は減り、資産の散財を抑えるための行動につながると思います。

  • 空室リスク
  • 家賃滞納リスク
  • 修繕リスク
  • 事件事故リスク
  • 自然災害リスク
  • 近隣トラブルリスク
  • 家賃下落リスク
  • 金利上昇リスク
  • 資産相場変動リスク
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経験上からですが、実際に経営を行っていくとこれらのリスクは必ずといっていい程発生します。そして結構な心労と貴重な時間を奪われたりします。

空室リスク

不動産購入時に既に満室状態であれば、取り急ぎの心配はないかもですが、いずれ直面する問題でもあります。ひとたび空室となると収益率が下がりますが、退去する時期や部屋のタイプあるいは同時に数室が退去と言った場合の心労は大きくなります。

賃貸住宅の繁忙期は転勤や入学に伴い、毎年1月~長くて3月とされるのが一般的です。もし退去が4月だった場合、翌年の繁忙期まで入居が決まらないなんてこともよくあります。

学生などが賃借人である場合は予め退去がわかっているため、家賃サービスなどを条件に「早めの退去」を交渉したり、室内見学をお願いしたりして対応するオーナーもいらっしゃるぐらいです。

退去する部屋のタイプも同様です。1ワンルームであれば比較的需要は高いものの、ファミリータイプの場合は繁忙期を逃すと極端に需要が減る傾向にあります。(地域にもよりますが)

同時に数室が退去となると、収益率が格段に下がるため、金融機関で融資を受けて購入している場合には収支バランスが悪くなり赤字経営に転落する場合も十分あります。法人の社宅として貸している場合によくあることですね。

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退去にはリフォームの必要性なども確認して、修繕が必要であれば即時に工事に入らないと入居希望者のニーズに合わせることができなかったりしますので注意が必要です。

家賃滞納のリスク

次に多いのが「家賃滞納」ではないでしょうか。経験上ですが、ひとたび滞納が始まるとなかなか元に様には戻れない場合が多いように思います。生活リズムが狂ってしまい支払いは滞る傾向にあります。

一気に滞るならまだ対応はあるのですが「支払われたり滞たり」「一部だけが入金されたり」と支払う意思だけを見せてくる方も多くいらっしゃいます。

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最悪な場合「夜逃げ」と繋がってしまうこともあります。昔々のオーナーや賃貸管理業者は「執拗な取り立て」「勝手に玄関ドアのカギを変える」などが横行していましたが、今ではそれはできません。当たり前ですが・・・。

夜逃げ」をされるとかなり面倒なことに巻き込まれます。まず本当に「夜逃げ」なのか。夜逃げしますといって夜逃げする人はいませんから断定するのに時間が掛かります。

また、室内に放置された動産物も個人の財産という概念から勝手に撤去することは許されていません。法律に乗っ取って手順を踏む必要があるのです。

一番心労になるのが毎月の「督促」です。手紙や電話で対応できればまだ良いのですが、いまだ集金制の場合もありますし、遠方だったりすると「今月も払ってくれるのか」と気が重たくなったりします。

しかも「もう少しだけ待っていただけないでしょうか」と玄関先でいわれたら心を鬼にしなければならず「無いもんは払えん」といった対応をされる方もいたりします。

修繕リスク

次に多いのが「修繕」ではないでしょうか。賃貸物件を借りたことがある方ならわかると思いますが、案内されるお部屋はどれも綺麗だったのではないかと思います。

前賃借人がどれだけ丁寧に使用されていても、家は生活の基盤ですから多少の損耗や摩耗は当たり前のように発生しています。壁紙や畳は日焼けして変色しますし、キチンやトイレも毎日使用しますからね。

また、最近では相続税の法改正により収益マンションや収益アパートの乱立によって競合が増えている関係で、充実した最新設備が好まれる傾向にあり、リフォーム時に結構な費用がかかる場合もあります。

退去が出るたびにこれらのリフォームが必要になれば、予想外の出費につながりかねません。設備はそのままで家賃を下げて集客するか、家賃はそのままキープしたいので設備を入れ替えるかで頭が痛いオーナーも多いと思います。

問題はそれだけではありません。入居時と退去時の室内比較により「通常使用していれば自然に発生する損耗や摩耗によらない不具合」について賃借人と口論になる場合もあります。

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例えば「洗面化粧台に割れ」・「ドアや壁た床に穴」・「タバコのヤニ」・「ガラスのヒビ」等などによる修繕費用の請求に「いやいやこれは入居時からあったものだ」と主張してくる賃借人もいたりします。

こういったトラブルにならないよう最初に対応しておかなければ、やはり心労は尽きることがありません。

事件事故リスク

最近ではニュースやSNSで取り上げられているのをよく見かけるようになりました。「事件事故」リスクです。さすがに日本ではまだ「殺人事件」は少ない方だと思いますが、「自殺」に関しては後を絶ちません。

他にも「病気」「老衰」「階段から落ちた」などで命を落とされてしまう方がいらっしゃいます。このことは新たな賃借人へ報告義務があります。

こういった場合警察の現場検証があったりするため、不動産所有者であるオーナーは現地にて対応しなければなりません。また、死亡原因はもとより亡くなられてからの経過日数や季節、室内のどこの場所かによっては修繕費用が大きく変わってしまいます。

身寄りのいない単身者であった場合は、相続人探しや室内に残された動産物の整理や処分のために必要な手続きに追われるため、収益物件としての回復にかなり時間が掛かります。

他にも「反社会勢力」の方や「外国人」同士によるトラブルから事件につながってしまうと言った場合もあります。こういった場合は警察の捜査協力に応じる必要があったりするため時間を割かれたり心労が付いて回ります。

自然災害のリスク

地震大国日本において、自然災害はやはり「地震」と捉えられてきましたが、最近では「津波」「土砂災害」「浸水」あるいはそれらを発生源とする「火災」や、他にも「台風」「竜巻」「ゲリラ豪雨」など自然災害は日ごとに猛威を拡大して脅かしています。

ひとたび災害に巻き込まれると「電気」「ガス」「水道」「排水」等のライフラインが停止し、復旧の目処がつきにくい場合は退去者が続出するといった事態に見舞われます。

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被害の規模によりますが、やはり行方不明者や死者が出た場合は事件事故時と同様に相続人探しや室内に残された動産物の整理や処分のために必要な手続きに追われるため、収益物件としての回復にかなり時間が掛かります。

また、台風でめくれ上がった屋根や看板がいつそばを通る通行人に二次災害をもたらすとも限りませんし、入居してくれている賃借人への対応や配慮も必要になってきます。

近隣トラブルのリスク

頻繁に対応を迫られるのがこのリスクです。挙げればきりがない程あります。「隣の声やTV・音楽がうるさい」「夜中に騒ぐ」「夜中の洗濯」「赤ちゃんの泣き声」「真夜中の帰宅」「上階の床の音」「駐車場でのエンジン音」「ペットの泣き声」「ゴミの出し方」や、中には「挨拶したのに返答がない」といったものまで多種多様です。

戸建やマンション、アパート等に限らず色々な近隣トラブルがしょっちゅう起こる場合があります。その都度電話が入って対応を迫られます。しかも即解決しないものばかりです。

しかしのらりくらり放置していると、はじめは小さな火種だったのに気付くと大きな火事につながったりするため、話をよく聞いて対応策を講じる必要がありします。

掲示板に注意勧告のチラシを貼り付けたり、場合によっては新しく設備を入れ替えなければならなかったりして、費用と時間を掛けなければならなくなります。

家賃下落リスク

新築時の家賃が、以後もずっと続くということはまずありません。「新築」という(付加価値)魔法が解けて無くなり、次の入居輩はまず間違いなく家賃は下がると思います。

しかも運が悪いと隣接地に別の新築アパートが建築されて比較の対象にされてしまうことも多々あります。おのずと家賃を下げなければ新たな入居が見込めなくなります。

家賃が下落する要因はそれだけではありません。築年数が経過するにつれて建物も劣化してしまうため見た目も悪くなってきます。定期的な修繕を繰り返さなければ傷みスピードも加速度的にアップします。

流行の間取りでなくなってくると、人気も陰りが見えてきます。最近の若者に言われたのですが「和室ってどうやって使うの?」「和室っていらなくね?」です。

またある若者は「3点セパは当然じゃん」「ユニットって清潔感ねーし」です。ようは浴室・洗面・トイレの水回りの3つの設備はそれぞれが独立しているのが当たり前だと主張しているのです。

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時代の流れについて行けない間取りは取り残されてゆくわけです。

金利上昇リスク

ここ数年間、政府によるマイナス金利政策やゼロ金利政策などによて金融機関の融資金利は過去に例のない程低くなっています。

住宅ローンの金利は1990年(平成2年)時点で、約8.9%(金融機関による店頭金利)でした。現在は2021年(令和3年)時点での店頭金利は約2.475%です。

しかし実際にはここから借入希望者の属性等によって、優遇金利が適用されるためおおよそ0.5%前後まで下がっているのが現状です。

これ以上金利を下げて利益出るの?」というところまで行き着いています。「下がったものは何時かは上がる」という資本主義に基づく過去の例をみても「いつ」「どのタイミング」で引き上げられるかは誰にもわからないのが常です。

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世の中の景気が上向き、底堅く、未来において日本経済に好材料の産業でもあればいつでもすぐに金利は上がります。この時「金利が上がったから家賃も上げます」と賃借人に伝えたとしても猛反発を食らうでしょう。

実際に賃料を値上げするには、個人所得が大幅に増えなければ難しいからです。そして今の日本企業にそれを望んでも賃金アップはもっと先の先に延ばされると思います。

資産相場変動リスク

これは「リスク」という場合と「チャンス」とに分かれます。十数年前から不動産を所有されていらっしゃる場合は今(令和3年5月)売却すると恐らくかなり利益が出てくると思います。

また今日購入してもこれより先に更なる好景気に恵まれれば資産価値も比例するように上がってゆきます。(不動産の景気に対する反応は結構遅れます)

逆に世界経済を巻き込むような「〇〇恐慌」や「〇〇ショック」のような事態が起こってしまうと、想像以上の下落につながります。

これも金利同様、いつ起こるかを的確に見抜ける人はどこにもいないでしょう。

そんな大きな事変が起こらなくても「都市開発による地価の高騰」や、逆に「空洞化による地価の下落」というように常に資産相場は上下に流動し続けて行くものなのですね。

リスクヘッジ

ではこのようなリスクをどのように回避すればよいのかについて、紹介したいと思います。

防げるリスクと防げないリスク

冒頭に列記した9つのリスクについて、何か気づかれた方はいませんでしょうか。そうですね、2つのブロックに分けています。前半は6つのリスクで後半は3つのリスクになっています。

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前半の6つのリスクについては、考え方次第である程度「防ぐことが可能なリスク」になっています。

空室リスク    

賃貸不動産会社に依頼もしくはサブリース会社と契約をする

家賃滞納リスク  

保証会社に加入して万一の際の家賃等の保証をしてもらう

修繕リスク    

損害保険に加入して万一に備える

事件事故リスク  

賃貸借契約の特約条項を見直して追加項目を考慮し、同時に損害保険に加入

自然災害リスク  

損害保険に加入して万一に備える

近隣トラブルリスク

賃貸管理会社に依頼する

誰しもリスクは背負いたくないですよね。ですが無償で回避できることはありません。自分の時間と心労を、必要経費と天秤にかける必要があります。

家賃は目減りするが、毎月一定の収入を得たい」・「保証料はかかるが、確実に家賃が入るなら」・「保険料はか掛かるが、保険金でまかなえる方が良い」等検討できるのであれば得策かもしれません。

最初の購入時に着目

ですので、これから不動産経営を始めようと考えられている方へ購入時の価格について再度検討してほしいわけです。今から購入しようとしている不動産は6つのリスクに照らし合わせて大丈夫だろうかという点についてです。

9つのうち6つのリスクを回避できるのであれば、かなり心労は減ります。しかし、不安点があるなら購入価格の交渉を再度考え直さなければなりません。

保証会社や保険会社の必要経費はそこまで高額ではありません。万一に備えるための保険ですからそうそう頻繁に発生するものではないからです。

不動産を何年間保有する予定で購入するのかを逆算すると、その間に掛かる経費はおのずと見えてくるわけです。

千三つ、万三つ

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昔、良い条件の不動産に巡り会えるのは1000件あたって3件だとよく言われました。今日では一桁多い10000件に3件とまでいわれています。

それだけ不動産経営に興味を持っている人口が増えているというわけです。そこにあえて挑戦しようとするのですから、なかなか一筋縄ではいかない現状があります。しかし、だからといって焦っては元も子もありません。

不安材料を取り除けない不動産はだれに勧められても、また数字上どんなに良さそうな資料を見たとしても、それが千三つだろうと万三つだろうと手を出すべきではないと思います。

不動産はコンビニやスーパーでお手軽に変えるものではありません。また清算前にレジ前で並ぶ多くの人々を見るような買い方もしません。ついつい自分だけが不動産を探しているような雰囲気になってしまいます。

例え購入をあきらめたとしても「次にはもっと条件の良い不動産と巡り合うための決断」だったと思った方が良い結果につながります。

まとめ

  • メリットばかりに目を奪われていたら不測の事態に対応できない
  • リスクを知って今の自分に対応できるかを冷静に判断すること
  • より良い不動産経営の為には、関連会社の協力も視野に入れる
  • 不動産購入時には再度冷静な判断を心掛けるクセをつけること

無理なくやって、今日もHappy!

これから不動産投資を始めようとお考えの方にお勧めの一冊です。

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